「フェンディ(FENDI)」は、ウィメンズ・コレクションのクリエイティブ・ディレクターを50年以上に務めてきたカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏の訃報を受けて、コメントを発表した。ラガーフェルド氏がデザインした2019-20年秋冬の最新コレクションは予定通りミラノで2月21日に発表する。後任については「彼の精神にオマージュを捧げ、後継者について十分な時間を費やしていく」としている。
「フェンディコピー」の創業家出身で、3代目としてカールと共にクリエイティブ・ディレクターを務めるシルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)は「独特で比類なき才能に恵まれたデザイナーを失い、悲嘆にくれている。カールは『フェンディ』と私自身に、どれだけのものを与えてくれたことだろう。初めて彼に会ったとき、私はまだ子どもだった。心からの深く愛情に基づいた私たちの関係はとても特別なもので、お互いに信頼し、尊敬の念を持って接していた。カールは私のメンターでもあり、基準の拠り所だった。2人で仕事をすると、ほんのちょっとした目くばせだけで、すぐに心が通じた。ブランドもまた私自身も、これまでカールのクリエイティブな才能に導かれてきたが、今後も“メゾン フェンディ”に継承されていく。カールを失った悲しみも、一緒に過ごしたあの日々の思い出も、私の心から消えることない」とコメントした。
同社のセルジュ・ブランシュウイグ(Serge Brunschwig)=チェアマン兼CEO(最高経営責任者)は、「カールと一緒に働くことを通して、ブランドが継続的な刷新を続ける秘密の一端を垣間見ることができた。カールの教養の深さ、常に若返りを実現する能力、アート全般を体験しどのようなスタイルであれそれを無視することなく、しかも過去には決して戻らないという確固たる信念、そして自分の作品を鏡に映して眺めること……には深い驚嘆を禁じえなかった。ものごとに躊躇ぜず、どこまでも追い求める性格がなくなることはなかった。彼は一つのショーが終ると『さぁ、次が始まるぞ!』と、いつも言っていた。彼は私たちに膨大なヘリテージ、尽きることのないインスピレーション源を残してくれた。私自身、そして『フェンディ』の全員がカールの死を悼む」と述べている。
「フェンディ」とラガーフェルド氏の関係の始まりは54年前にさかのぼる。フェンディ家のパオラ(Paola)、アンナ(Anna)、フランカ(Franca)、カルダ(Carla)、アルダ(Alda)の5姉妹が1965年、ラガーフェルド氏をブランドに招へい。それから、ブランドの象徴的なファーを用いたデザインを革新。通常のプレタ・ポルテのウエアのコレクションのみならず、クチュール・コレクション、広告ビジュアルまでも監修してきた。